始まりは90年以上前
ここで少し閑話休題として、紙のブックカバーについて考えてみようと思う。先述で軽く触れておいたが、紙のブックカバーの始まりは大正時代にとある古書店が購入ヒントの見分けをつけるために配布したことから、宣伝も兼ねてブックカバーがその起源の発祥と歴史の誕生となる。日本人なら誰でもが当然もらえると思っているブックカバーだが、これが海外の書店では貰えない、というよりそもそも存在しないのだというのを知っている人もいるだろう。筆者もその点についてはさすがに情報がなかったので少しばかりのカルチャーショックを覚えたが、訳というほどのものではないが、日本人の特性を考えたらブックカバーが日本文化の一つだというのも頷けると妙に納得してしまった。
勿論広告塔としての役割を持っているのも分かるが、購入したかどうかを一目瞭然で見極められるという点についてもそうだ。ただこうした思惑は企業視点から見たブックカバーの始まりに過ぎない。消費者視点から考えたブックカバーの存在意義というものを模索していくと、ブックカバーを使用することの目的と、それに準じる意義が見えてくるのではないか。そんな意外と長く、そしてに本土くじの文化として伝来しているブックカバーについてを、少し考察してみよう。
お手製ブックカバーレシピ
見られたくない心理
ではまずはどうしてブックカバーを使用するのか、という点について考察するのだが、入っていくとそもそもどうしてブックカバーを利用しなければならないのかという点を考えてみたい。人それぞれ理由はあるだろうが、大まかに大別すると次のようになると思われる。
・汚れを防ぐため
・状態保全を目的に
・表紙を見られたくない
汚れについては透明フィルムの項目でも触れたので理解できると思う、折角購入した書籍に埃ないしの汚れが付いた場合拭けば落ちる、といった常識はさすがに届かない。水気のあるものを使用すると最悪染みになってしまう。そもそもそんなところで本を読まなければいいだろうとなってしまうが、それが出来たら苦労はない。外出先、特に飲食店に入店して時間を潰さなければならないときに、コーヒーと本のセットは何となく午後の風景として定番だ。今でも街中を歩けば分かるとおり、カフェなどには時間が空いてのんびりとした時間を過ごしながら読書に耽っている人を必ず見かけるものだ。ああいう姿に憧れる人もいるだろうが、人によっては非常に良質なシルエットなのは否定しない。
そうした時にブックカバーを使用することで、万が一コーヒーをこぼすなどの不測の事態に際しても汚れが直接本に付かないように保護する役割を担う。おそらくこれが大体の人がブックカバーを利用している理由になるだろう。
次の状態保全を目的に使用する人の意見としては、よほど気に入っている書籍が日焼けを始めとした汚れが出ないようにするためだ。ただこの理由については特別気に入っている書籍でもない限りは必ずする、というモノではないだろう。一度読んで飽きてしまった本ならばなおのこと、そのまま野ざらしに放置して古本として売ってしまうという選択肢が取られてしまうのがオチだ。
読みたい100冊
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人には見せられない書籍を隠すため
ブックカバーの役割として最後に出てきた表紙、つまりは購入した本が何かを見せないようにするといった理由も大きいだろう。全員が全員、健全な書籍を購入するわけではない。特にとらのあなでは成人指定のいかがわしい書籍も沢山売られているため、それを隠匿する手段としてカバーをつけるというのも常套手段の一つだ。特に外出先でいつ何時誰が手荷物の中身を見ているか分からないため、人に見られても問題ないように、外見だけでも体裁を整えておく人もいるだろう。
色々と理由がある
こうしてみるとブックカバーというものが日本人の文化にとって、何気に必要なものだというのを理解できるのではないか。自分の持ち物をなるべく人には見られたくないと、他人の目を特に気にしてしまう日本人の習性を考えると無くてはならない存在だ。
ただ中にはコストダウンを考えて紙のブックカバーを無くすことも考えている所もあると言われているため、そうなった場合の反響などは中々盛大なことになるかもしれない。