ブックカバーって奥が深い

日本独特の文化

そんなブックカバーについて話をして行くと、そもそも本に紙、最近では書店によって透明なフィルムを用いたブックカバーなども流通しているが、ブックカバーはそもそも日本独自の文化という。書店こそ世界規模で存在しているものの、書店でブックカバーを巻いてもらうという習慣は日本でしか見られないというのだ。意外と身近な存在と思っていたものだが、世界尺度となるとブックカバーなるものの価値観が酷く固定観念化されたものだと言うのを自覚させられる瞬間だ。その点についてはいいとしても、どうして日本でこのような文化が誕生した経緯を探ってみるとその始まりは大正時代にまで遡るという。

原点と言われているそれは大正時代のとある古書店が始めたサービスであり、そこから全国へと派生して行くことになる。何故そのようなことをする必要があったのかだが、それは購入した書籍か、それとも未購入の書籍かどうかを見分けるために使用していたのだ。確かに一理ある意見だ、以前書店で働いていた経験があるためブックカバーをしているものは購入しているものだという目安になるため、ある種万引き対策の目印になる。

そしてもう1つが、ブックカバーを使用している書籍を外で読書している時にブックカバーに店名を入れておくことで宣伝の意も兼ねているのだ。購入しているかを判定するため、そしてブックカバーを使用することで集客率を挙げようとする宣伝のため、その2つの性質を持っているのが本来のブックカバーに与えられた役割となっている。

お手製ブックカバーレシピ

カバーがあるもの、ないもの

ブックカバーといっても宣伝目的の、オリジナルのブックカバー使用するものではなく、そもそもカバーがつけられているものがある。これは漫画やラノベなどに多く見られるところだが、そもそもブックカバーが無く、表紙が上製本というものをある。どちらが仕様となっているかはメーカーごと、もしくは本の種類となっているのかはそれぞれ異なっているのだが、書店などで配布されているオリジナルの紙のブックカバーを添えつけて使用する人も多い。

さて皆様は、この漫画などの通常見られる本のブックカバーと、上製本などのちょっとお高めの上製本とのブックカバーではどちらが巻きやすいか分かるだろうか。答えはもちろん、前者だ。後者に関して言うならば、巻ける事は巻けるのだが非常に手間隙が掛かる。店によっては嫌な顔せずやっているところもあるが、本音では非常に面倒なものが来たなと思うのが本音だ。ブックカバーを巻いてもらうのは当然と思っている人が多いのも理解しているが、効率という点を加味するとブックカバーを巻くにしても数冊程度ならまだしも、10冊以上を平然と巻いてくださいとのたまう人もいるのだ。筆者は書店時代の折、これを言われたときは内心相当の殺意を抱いたものだ。今でこそ懐かしく良き思い出となっているわけで、今ではカバーが不要なときには断るようにして効率を上げてもらうことに専念しているという、余計な配慮を行ってしまっている。

限界があるんです

勤めていた店名はさすがに明言できないためここではあえて控えさせてもらうが、取り合えず言えるのはとりわけ同人誌を多く取扱っている店舗で勤務していた、とだけ話しておこう。そこでは書籍も扱っていたためブックカバーを巻くことも行っていたわけだが、すべての商品に対応するサイズを用意しているわけではない。

一般的な書店でもブックカバーを掛けてもらえるサイズには限界がある、それ以上になるとさすがに顧客としても空気を読んでくれるのだが、筆者が勤めていたところでは残念ながらそうではなかった。画集と呼ばれるなどのA4版サイズの書籍に関して一度、ブックカバーをつけてほしいという注文をつけてきた顧客がいた。ただそのとき勤めていた店舗では最大でもA5サイズのものしか配布していなかったため、丁重にお断りを入れた。しかし納得せずブツブツと文句を言われ、しまいにはサービスが悪いなどと言われてしまうが、さすがに限度というものがあるのを理解してもらいたいと思ったが、そんなことを言ったらある種問題になってしまうため言葉を呑んで、渋々帰ってもらった。

ブックカバーを無料で配布することは出来るが、出来るものと出来ない物との線引きは店舗毎によって行われている。たまたま勤めていたところでは大判サイズの書籍に対応するブックカバーを無かっただけで、それが他の企業にも類似するわけではないことを追記しておく。

読みたい100冊

現在は紙より透明

ブックカバーといえば一般的に想像するのは企業名がプリントされた紙のものというイメージを持っている人が多いと思う。これについては大手有名書店を始めとする企業は現在でも行われているサービスとなっているが、それを合えて行っていないところもある。

書籍を販売している店舗では必ずブックカバーをつけてもらえると思っている人もいるかと思うが、中には完全セルフサービスという形式に移項したところもあれが、そもそも紙のブックカバーを配布していないというところもある。紙のブックカバーではないブックカバーを使用する、そう言われて思いつくのは断然透明なフィルムのブックカバーだ。